とても晴れた日曜日。冬の澄んだ空気がきれいな朝です。
九ポ堂さんのレトロな自家用車で、アダナプレス機がお店に運ばれてきました。抜群の存在感と重厚感。今日の活版ワークショップへの期待が高まります。
ワークショップが開始しました。まずは、本日お世話になる九ポ堂の酒井さんから九ポ堂の紹介、ワークショップの流れ、活版印刷の道具の名称や使い方を説明して頂きました。

初めて活版印刷を体験する方々は、見たことがない活版の道具に興味津々といった様子で説明を受けていました。
今回は活字と、オリジナルの図柄を樹脂凸版に製版したものを組み合わせたグリーティングカードの制作です。どのように印刷されるのか、版の状態を見ただけでわくわくします。
最初はステッキに活字を組み付ける文選の作業です。


スダレの中に整列された小さな活字たち。小さな活字はあいうえお順に並んでいながらも、自分の文章の活字を探し、拾うには結構な時間を要します。字が反転しているので、活字をみているとだんだん、「ほんとうにこの文字であってるのだろうか?」なんて錯覚も。

印刷される向きと逆に配列してしまったり、文字が抜けていたまま印刷にかけてしまうと、また振り出しに戻ってしまうので、いちばん最初の大事な作業です。鉛でできている活字はとても傷つきやすいので、みなさん集中して小さな活字を指で拾っていました。

活字には数の限りがあるので、時々、必要な文字がなくなってしまうなんてことも。奥さんの葵さんのサポートあって、みなさんそれぞれの文章を無事に組んでしました。

文字が組み終わったら、次はその組版を固定し、プレス機にセットできる状態にします。
組んだ活字をチェースという鉄枠の中に配置し、金属や木でできたパーツで、スペース部分を埋めます。


九ポ堂さんが用意してくださったチェースの中の配置図を見ながらの作業でしたが、このパズルを組むような作業、少しコツがいるので、みなさんインテルの数や込め物の位置を慎重に確認しながら組んでいました。
メタルベースの上に樹脂凸版を貼付けたら、全てが固定されているか、チェースをコンコンとテーブルに叩いてみます。組版がずれなければ、いよいよ印刷の作業です。


チェースは酒井さんがセットしてくれます。セットされたら、横から紙押さえのバーなどが版に当たらないか、必ずチェックします。

活版のプレス機は、ハンドルを動かすとローラーがインクを伸ばしていくのと同時に、版にインクを付け、紙を固定した台座も動き印刷する仕組みになっています。とても画期的な文明をすでに作り出していたのだと感じました。人の知識や技術の手触りを宿したこの装置はいつまでも残っていてほしい存在です。


試し刷りを行い、紙の位置、印圧を決定します。印圧は絵によっては弱めにすること、強めにすることが必要になります。面の多い絵などは印圧がとても必要で、上手に印圧をかけないと、大きなムラになってしまいます。しかし、そこは酒井さん、匠の技できれいに刷れるようにしてくださいます。

印刷本番。面が多い図柄の人は、プレスするのにすごく力を入れてました。つま先立ちになったり、飛んで圧をかけたりと、様々な方法で刷りを試していました。


最初はハンドルの扱いにも慣れていないので探り探りですが、徐々になれてくると作業もスムーズに進んでいきます。刷っている人の目は真剣そのもの。他のみなさんも、どんな画が刷れるのか楽しみな様子で見ていました。

紙をの受け渡しをするなどの連携プレーをみせる方々も。作業がよりスムーズに!
たくさん集中した後は、お茶を飲みながらしばし談笑。
みなさん、それぞれの個性的が光るカードが完成しました。


クリスマスカード、年賀状などなど、バリエーションに富んだ絵と言葉。ワークショップに参加されたみなさん、自分の手で刷り上げた作品を眺めながら笑顔をこぼしていました。
一枚一枚手刷りでつくられたこのカードを受け取った人は、いつもより少し幸せな気持ちになるのではないでしょうか。
お店番/小室

















